◇フランスの高級画材として有名な「セヌリエ」のパステル専門店「Pont des Arts─ポンデザール」
◎セヌリエの歴史
セヌリエは、120年以上の歴史を持つフランスの老舗画材店です。フランスでは、高級画材店として知られ、非常に高品質の画材を提供しているブランドです。著名な画家が好んで愛用し、多くの作品が残されています。
セヌリエでは、パステルの他にも水彩絵の具や紙なども製造しており、どれも高品質で、絵を描いている人なら、一度は使ってみたいと憧れる画材メーカーです。
セヌリエのパステル専門店
著名な画家が愛用したセヌリエのパステル
ギュスタブ・セヌリエによって始まった、セヌリエの歴史
”セヌリエ”ブランドの始まりは1887年。化学者であるギュスタブ・セヌリエが、ルーブル美術館向かいのセーヌ川左岸に「マガジン・セヌリエ」という画材店を創立しました。当時すでに化学者ギュスタブ・セヌリエの絵具創りは、伝説化していたと言います。
彼の仕事はとても細心で色を見る目が正確でした。色素の混合方法や安定性など、絵具に関する徹底的な研究によって生まれたその品質は、「芸術的」とうたわれた程で、新しい表現方法を模索していた芸術家たちから、最高の品質と認められ、圧倒的な支持を受けたのです。
セヌリエのお店では、顔料の改良に努め、更に色味や劣化の改良の為、新しい装置の開発にも努力しました。創立者ギュスタブ・セヌリエが初めて作った絵具は、何世紀もの間作られていた手法と同じく、手で製造されていました。
1900年に、手と同じ圧力を加えられる3本の磁器のロールを使用して機械化され、手造り同様かつ効率的に製造される様になりました。
セヌリエと印象派のアーティスト達
20世紀の初め、ギュスタブ・セヌリエと印象派の偉大なアーティスト達の関係は深いものでした。印象派のアーティスト達の影響でセヌリエの商品が広まりました。セザンヌ、ピサロ、ボナード、ピカソなど著名な画家によって使われた色は、ギュスタブ・セヌリエによって製作された色でした。
セヌリエはこれまで使われなかった無機鉱物の色素を使って、印象派のアーティスト達にそれまで不可能だった色を可能にしました。これらの色は自然なアースカラーを完成させ、色褪せたり、有毒な成分も含まれる高価で半貴石から成るそれまでの絵具の代わりとなりました。
これらの色は、印象派のアーティスト達の混色による色の可能性を広げ、とりわけ、セザンヌやモネなどにとっては、“セヌリエ”はなくてはならない存在となりました。軽く滑らかで光沢感のある絵具の出現で、太陽の光、その光を浴びてきらめく自然の風景を絵に表すことに成功したからです。以来“セヌリエ”で描かれた名画は、世界有数の美術館に展示されています。
マガジン・セヌリエは、多くのアーティストが集まる場所でした。彼らはここで語らい、日々の情報交換などにより、インスピレーションや色に関する欲求は“セヌリエ”の絵具に取り入れられ、新しい技術や独特の色が誕生しました。
エクストラファイン・オイルペイント(油彩)の質と色彩の幅を極めた後に創り出されたエクストラファイン・ウオーターカラー(水彩)には、印象派の色彩の美学が基盤となっています。
エクストラファイン・オイルペイント、エクストラファイン・ウオーターカラー、そしてエクストラソフトパステルに続いて“セヌリエ”のオイルパステルが誕生したのは、パブロ・ピカソの依頼がきっかけでした。「どんな素材にも自由に表現したい」という彼の熱い要望と協力で、画期的なオイルパステルが完成しました。
ポンデザール
今も変わらぬマガジン・セヌリエ
現在、セヌリエの工場は、事業拡大の為、サンブリュー(ブルターニュ地方)に移りましたが、 マガジン・セヌリエは現在も変わらない場所で、その伝統を守っています。つねに芸術家の創作欲を喚起させ、尽きることのない彼らの要望を取り入れて芸術を生み出してきた”セヌリエ”。
最高品質を必要とする現在と将来の画家のために、研究・努力を日々重ねています。現代技術を取り入れながらも今だ手作りにこだわる情熱こそ、セヌリエの原点です。
☆ソフトパステル
セヌリエのソフトパステルは、伸びのよさ、発色の良さが特長です。パステルの色を混ぜられない、という点をカバーする為、色数も多く、525色を取り揃えています。
◎セヌリエのソフトパステルの誕生
光沢があり、ベルベットのような質感を生み出す、“セヌリエ”エクストラソフトパステル『L'ECU(レ・クゥ)』。
19世紀の終り頃、ギュスタブ セヌリエは永い間研究・開発を続け、セヌリエ エクストラソフトパステル “レ・クゥ” を誕生させました。未だに伝統的な手造りで、厳選された高純度な顔料と天然の結合剤を使っている為、鮮やかさと優れた耐光性を維持しております。
◎セヌリエのソフトパステルの特徴
ソフトパステルは、他の水彩絵具や油絵具と違い棒状絵具の為、色を混ぜるのが困難とされています。その為、セヌリエでは世界に類を見ない525色の色数を誇り、アーティストの求める色を可能にしました。
セヌリエのソフトパステルは、次の点で有名です。
◇高純度の顔料
◇天然の結合剤
◇優れた耐光性
◇色の鮮やかさ
◇柔らかく伸びの良いベルベットの様な滑らかさ
セヌリエならパステル画の面白さが分かります。
世界最多の全525色という色の豊富さ
セヌリエのソフトパステルは、微妙な陰影を豊潤な色調で生み出す、新しい表現法を可能にしました。厳選した原料と独自の処方で生まれる繊細なパステルで、あらゆる素材に適応します。作家のさまざまな色の要求にも応えられるよう、取り揃えた色数は、世界最多の525色。ここまでの色数があるパステルは、他にありません。
また、セヌリエのパステルは製造工程で、円筒形のペースト状の時に一切圧縮せず、また、温室などで強制的に乾燥せずに、自然乾燥させております。その為、顔料の色合いを保ち、柔らかくベルベットの様な滑らかさを持つパステルが出来上がります。 紙にしっとりなじみ、伸びが良く他の画材との併用で幅広い表現が可能になります。名実ともに、フランスが誇るセヌリエのソフトパステルは、世界中の多くのアーティストに愛されています。
☆オイルパステル
セヌリエのオイルパステルは、ピカソが欲しいと要望し愛用した、何にでも描けるオイルパステルです。クリームの様な使い心地と、ほとんど退色しない顔料の濃さが特長です。
◎セヌリエのオイルパステルの誕生
1949年、パリの画家だったアンリ・ゴエッツは、有名な画材メーカーのアンリ・セヌリエ(2代目)に、彼の友人であるパブロ・ピカソのために油性棒状絵具の製造を依頼しました。
ピカソは、セーヌ川を挟んでルーブル美術館の対岸にあるセヌリエの店に、永い間頻繁に訪れ、「色褪せ」や「ひび割れ」もなく、どんな表面にも自由に使える素材を探しました。そして、彼らの共同研究が、比類のないオイルパステルを生み出しました。
初めは48色でしたが、5色のメタリック色を含め1975年に約2倍になりました。その後、5色のパール色と普通色が増色され、現在、セヌリエのオイルパステルは、すべての画家の需要に応えられる全120色があります。
◎セヌリエのオイルパステルの特徴
他のセヌリエの画材のように、オイルパステルは多くの画材の中で重要な画材の一つになりました。セヌリエは最高級の原料だけを使っているので作家に限りなく高品質の画材を提供しています。
◎セヌリエのオイルパステルは、次の点で有名です。
◇最高級の顔料
◇中性の結合剤
◇高級な中性ミネラルワックス
◇高濃度顔料
◇自由な表現が出来る極度なクリーミーな肌理(きめ)
◇優れた耐光性
◇稀に見る濃さと鮮明さ
セヌリエ
ピカソが欲しがった理由が、分かった気がします。
これらの顕著な特徴は、セヌリエのオイルパステルを世界的に材質の面での標準品として、その地位を確立しました。
◎セヌリエのオイルパステルは、2つのカラーグループに分けられます。
1. 1つは不透明、半透明、透明色から成る標準的な110色でクラシックな色相と新しい色合いや色調も含まれています。すべての色は、どの色とも互いに混色できます。
2. 他のグループは5色のパール色、5色のメタリック色です。パール色及びメタリック色は、優れた耐光性があり、混色が出来、独特な光の反射を得られます。
普通色とパール色のオイルパステルは、特別に考案された乾燥しない結合剤と混ぜられ、厳選された有機及び無機顔料で造られ、最高級のwax(ワックス)と化合されています。
極めてクリーム状の肌理(きめ)を持つセヌリエのオイルパステルは、前述の3つの要素から出来ています。ソフトパステルの様な感触ですが、油絵具の様に見えます。ソフトパステルほどもろくなく、重厚な表現の効果も出来、また画溶液を使い重ね塗りやぼかし技法も可能です。セヌリエのオイルパステルは、ひび割れがなく、多様な基底材に使えますし、独自の効果を得るため他の描画材料との併用もできます。高級顔料を使用しているため、優れた隠蔽力、濃さがあります。
セヌリエのオイルパステルは、酸化性物質を含んでおりません。これは、黄化、ひび割れがなくて顔料の強さを保護し、また画面の劣化を予防します。酸化性物質を含まないため、オイルパステルは乾く事がありません。しかし、セヌリエのフィキサチーフで固着できます。ミシン目の入ったラベルですので、減るにしたがってパステルのラベルを剥がし易くなっています。
フランス高級画材セヌリエのパステル
ソフトパステル
オイルパステル
色あせ・ひび割れの心配がいらないオイルパステル
多くの画家が、セヌリエを愛用しています。
豊かな表現力はセヌリエのパステルで
525色あれば、どんな絵も描けます。
セヌリエなら、これだけの色があるから困りません。
描く事を楽しめる、それがセヌリエのパステルの魅力です。
Pont des Arts
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- 2008/04/11(金) 22:22:51|
- 憩いの広場・アート|
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