「落雁諸江屋」は江戸時代末期の嘉永二年(1849年)に創業以来、160年にわたり「金沢」と共に歩み続けております。歴史的な由緒を有する「方丈菓子」や「加賀宝生」「花うさぎ」など加賀名菓の伝統を今に伝え、昔ながらの製法にこだわりながらも、現代にも愛される味覚や商品作りに努力を続けておられます。
花うさぎ
◇落雁(らくがん)へのこだわり
享保3年(1718年)刊「古今名物御前菓子秘伝抄」に落雁の製法が載っています。ウルチ米の粉を煎り、砂糖とまぜてこねあわせたものを木型で押し固めて作ります。この菓子のルーツは不明ですが、遠くはローマ時代のウエハースがシルクロードを渡り、日本海を渡り今の形になったと言われています。
西鶴や近松の作品にもしばしば登場しておりますので、元禄の頃には人気のある菓子であったことは推測できます。そのころの物は白地に黒ごまを配したものが多く、それを瀟湘(しょうそう)八景の平沙落雁や近江八景の堅田落雁に見たてて「落雁」の名になったとも、あるいは「軟楽甘(なんらくかん)」という中国伝来の菓子を略して「らくかん」と呼び、「落雁」になったとも言われます。
◇落雁(らくがん)の移り変わり
明和年間(1764~71年)は簡単な木型を用いましたが、寛政年間(1789~1800年)には彫師が腕を競う豪華な木型が出現し、文化文政年間(1804~29年)には精巧さと華麗さの面では頂点に達します。将軍家大奥の女中に好まれ、食べやすいようにごく薄く作られました。
古くから日本人に好まれたこの菓子を現代に伝え、昔ながらの製法と技を守り続けております。少し古くささの感じる菓子ではございますが、いにしえ人の営みを偲びながらご賞味いただければと思います。
加賀宝生
◇素材へのこだわり
石川県金沢は肥沃な加賀平野に囲まれ、加賀百万石といわれる城下町です。戦国時代の100年間は「百姓の持ちたる国」とまで言われる信仰心と農業の盛んな土地でもありました。この肥沃な土地で穫れた加賀餅米と四国の和三盆糖の絶妙な調和が落雁の独特な味わいを導いております。
原料は出来る限り国産品を使用し、安心安全な菓子作りを心掛けております。また、身体に良いといわれるだったんそば茶やおいしい加賀野菜などの原料も取り入れ、お召し上がり頂くお客様の身体と心にご満足を頂けたならと存じております。
◇お菓子とともに
日々の生活の中で菓子と接する時間を大切にしたいと思っております。
「何か甘いものが食べたい」
「ゆっくりとした時間を過ごしたい」
「大切な方と楽しい時間を過ごしたい」
「金沢の旅での思い出を語りたい」等々。
私たちの作った菓子がお客様の幸せな時間のパートナーとなっていることを常に心掛けております。普段何げなく見落としてしまっている「野辺の花」「木の葉」「風景」を四季折々で再現する干菓子や小豆、和三盆糖、米が持つ独特の風味が最大限に引き立てられるお茶うけの菓子などお召し上がり頂くお客様にご満足をいただける菓子作りに日々精進を重ねております。
菓子職人は日々の生活の中で、木の緑、花の色、空を写す水の色、頬に感ずる風など五感を大切にし、菓子作りにいかしております。160年にわたり、代々脈々と受け継がれてきた技と味、職人の菓子作りに懸ける情熱をどうぞご賞味下さい。
方丈菓子
落雁 諸江屋
落雁
季節商品
軽焼・煎餅・饅頭
詰合・御贈答セット
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- 2008/08/20(水) 17:31:16|
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